TrPower0906改


ワイドレンジ&ハイスピード電流帰還型パワーアン プの製作


本サイトのフラグシップアンプ

[1]回路図

回路図をこ こに示す。
入 力部はダイヤモンド回路で電流増幅部をとおしてカ レントミラー型の電流バッファにつながっている。電 流帰還方式のアンプでゲインは 16 倍 だ。電源電圧 ±24V で 8 Ω で約 15 Wの出力が得られる。
電流増幅部は一見ゲインワイドラー型カレントミラー風だがそれはDC成分についてだけで、交流成分については Q2,Q4 の電流増幅率がそのまま電流ゲインになる。低電圧で高い電流ゲインが得られ NFB 量を増やせるのがこの回路の特徴だ。
Q16-D1, Q18-D2, Q6-Q7, Q8-Q5 を各々熱結合させる。

[2]製作

(1)プリント基板作成
基板アートワークには Simple-CAD を用い、アイロン転写法でプリント基板を作成した。
アイロン転写法を使った基板作成は、感光基板を使った方法に比べて
(1)高価な機材がいらない
(2)失敗しても高価な感光基板を買う必要がない。
というメリットがある。
専用CADを使うとライブラリの作成など煩雑になりがちな基板版下だが、Simple-CADを使えばペンで書くように簡単にプロも納得する仕上がりのアートワークを作成することができる。

Simple-CADのデータはこれ
パターンの版下(PDF)はこれ

コンデンサが3個パラレルになってる4箇所は、表に1個配線し、裏から2個同じランドに付け足すこと。
100 Ωの抵抗がパターンにはない。つけなくても動くと思うがつけたい人は、パターンカットして裏付けしてほしい。
Q16-D1, Q18-D2, Q6-Q7, Q8-Q5 を各々熱結合させることを忘れないこと。


(2)内部配線


放熱器のサイズが小さいので連続出力 15Wがやっとだが、音楽の平均電力は最大電力の20%程度らしいので問題ないだろう。
出力に乗った高周波が入力に回り込まないように、スピーカー線は最短とし、入力ケーブルから極力離した。


(3)外観


(4)買い物リスト
買い物リストはここ
純粋に部品価格だけの総計で1万2千円 送料その他も考えると2万コースかな。

[3]性能

(0)測定方法
1)周波数特性
a)機材
    サウンドカード Sound Blaster Audigy2
    発振器ソフト WaveGene Ver. 1.40
  サウンドカードベンチマークソフト Right Mark Audio Analyzer 6.2.3
  交流電圧測定 秋月通商のテスター P-10
    ダミー抵抗 8Ω(セメント抵抗)
b)測定法
WaveGene で 1kHz の正弦波を発生させて アンプに入力した。
周囲雑音の影響を減らすため、Line-in からのケーブルの入力に並列に 680Ω の抵抗をいれた。
アンプの出力ダミー抵抗につなぎ出力電圧を 2.83 V(1W) にして 10 kΩ の可変抵抗で分割してサウンドカードに接続した。
この状態で Right Mark Audio Analyzer で測定した。

2)歪率
a)機材
    サウンドカード Sound Blaster Audigy2
    発振器ソフト WaveGene Ver. 1.40
    オシロ+FFTソフト WaveSpectra Ver. 1.40
  交流電圧測定 秋月通商のテスター P-10
    ダミー抵抗 8Ω(セメント抵抗)
b)測定法
    歪率は、率特性カーブを描いてみように書いてある方法に 従った(文献1)。
    周囲雑音の影響を減らすため、Line-in からのケーブルの入力に並列に 抵抗をいれた。
  抵抗値は 1W 未満で 680Ω, 1W  以上で 68Ω とした。
  入力を絞るための可変抵抗の操作が困難だったので、PC側でサウンドカードの再生音量を調整した。

3)矩形波応答
1)発振器
LMC555を使い矩形波発振回路(回路図はこれ)
を作り、100kHz, 10kHz, 1kHz, 100Hz の信号源とした.
2)オシロ
日立 V-252 20MHz
3)ダミー抵抗
アンプの出力に 8Ω のセメント抵抗を繋いで測定した。


(1)測定結果

(1)周波数特性

20 Hz から 20 kHz までフラットだった。
20kHzで1dB下がってるように見えるのは サウンドカード の問題だろう。
ここに Right Mark Audio Analyzer の全結果の出力を示す

(2)歪率(THD)

15mW 以上で THDが 0.01% 以下。 十分低歪だ。

こ こに PDF出力したグラフを示す。


(3)矩形波応答
(1)100Hz

1)元信号 水平 1ms/div 垂直 0.5V/div          2)1ms/div 垂直  5V/div
カップリングコンデンサのせいで水平部分が右下がりになっている。

(1)1kHz

1)元信号 水平 0.1ms/div 垂直 0.5V/div          2)水平 0.1ms/div 垂直 5V/div

(1)10kHz

1)元信号 水平 10us/div 垂直 0.5V/div          2)水平 10us/div 垂直 5V/div

(1)100kHz

100 kHz 水平 1us/div 垂直 0.5V/div              水平 1us/div 垂直 5V/div

多少発振している。
水平 0.5us/div 垂直 5V/div スルーレートは約 70V/usec

(文献)
1.歪率特性カーブを描いてみよう.





2009.11.12 sけいし (s_keishi@yahoo.co.jp)
<-戻る
inserted by FC2 system