op6w100113
A級 NoNFB 低歪 高速アンプの実験
[1]回路図
回路図をこ
こに示す。
出
力段は、ダーリントン形バッファーの電流検出を抵抗に置き換えた形になっており、上下トランジスタを流れる電流の和が一定になるようにバイアスを制御す
る。Q4,Q2のベースーエミッタ間の電圧が等しくに保たれQ4のエミッタとQ7のエミッタの電位が等しくなるように強力なNFBがかかっている。上下2
つの0dBアンプの出力の平均をとって出力電位とする形なので、R11とR12をVRに置き換えて上下アンプのゲインを微調整することにより2次歪を減少
させることが出来るかもしれない。また、R7,R18を1000uF程度のコンデンサでバイパスさせればダンピングファク
ターを改善できる(マザーボード用コンデンサが使えるはず)。
入
力段のAD827Jは10倍の電圧増幅をする。出力段のスルーレートを損なわないために、300V/us という高スルーレートの AD827J
を使用した。1pFの位相保障用コンデンサのため AD827J
のスルーレートは多少損なわれている(手持ちのAD827を用いたが入手が容易で安価なLM7171でも問題ない)。
ゲインは 10 倍。電源電圧 8 Ω 負荷で約 8W, 4Ω 負荷で約 8Wの出力が得られる。
[2]製作
(1)基板
(2)基板アートワーク
いつものように Simple-CAD でアートワークを作成して、アイロン転写法で基板をエッチングした。
Simple-CADは、単純なのでライブラリに煩わされることなく思い通りのパターンが書けるのでお気に入りだ。
基板作成用の版下はこれ
SimpleCAD用のデータはこれ
[3]シミュレーション結果
シミュレーションは、カップリングコンデンサを 2.2uF から 22uF に交換して行なった。
(1)周波数特性
(2)歪率(THD)
周波数/Hz | 100 | 1k | 10k | 100k |
THD/% | 0.000046% | 0.000046% | 0.00020% | 0.014% |
(3)スルーレート(SR)
SR = 72V/usec
(4)ダンピングファクター(DF)
1kHz 2mV(p-p) のサイン波を出力側から注入して電位変動を調べた
Z= 0.125Ω
DF= 64(8Ω)
[4]性能
(0)測定方法
1)周波数特性
a)機材
サウンドカード Sound Blaster Audigy2
発振器ソフト WaveGene Ver. 1.40
サウンドカードベンチマークソフト Right Mark Audio Analyzer 6.2.3
交流電圧測定 秋月通商のテスター P-10
ダミー抵抗 8Ω(セメント抵抗)
b)測定法
WaveGene で 1kHz の正弦波を発生させて アンプに入力した。
周囲雑音の影響を減らすため、Line-in からのケーブルの入力に並列に 220Ω の抵抗をいれた。
アンプの出力ダミー抵抗につなぎ出力電圧を 2.83 V(1W) にして 10 kΩ の可変抵抗で分割してサウンドカードに接続した。
この状態で Right Mark Audio Analyzer で測定した。
2)歪率
a)機材
サウンドカード Sound Blaster Audigy2
発振器ソフト WaveGene Ver. 1.40
オシロ+FFTソフト WaveSpectra Ver. 1.40
交流電圧測定 秋月通商のテスター P-10
ダミー抵抗 8Ω(セメント抵抗)
b)測定法
率特性カーブを描いてみように書いてある方法に
従った(文献1)。
周囲雑音の影響を減らすため、Line-in からのケーブルの入力に並列に抵抗をいれた。
抵抗値は 1W 以下で 220Ω 1W を超えたら 68Ω とした
入力を絞るための可変抵抗の操作が困難だったので、PC側でサウンドカードの再生音量を調整した。
3)矩形波応答
1)発振器
LMC555を使い矩形波発振回路(回路図はこれ)
を作り、100kHz, 10kHz, 1kHz, 100Hz の信号源とした.
2)オシロ
日立 V-252 20MHz
3)ダミー抵抗
アンプの出力に 8Ω のセメント抵抗を繋いで測定した。
(1)周波数特性
20 kHz で 1dB 下がってるのはサウンドカードの問題だろう。
20 Hz から 20 kHz までフラットだった。
ここに全
結果を示す。
これがサウンドカードのループバック測定の結果だから、このサウンドカードでは測定限界に来てる。
(2)歪率(THD)
こ
こに
グラフを示す。
(3)矩形波応答
(1)100kHz(8Ω負荷)
左が元の波形
水平 1us/div 垂直 0.5V/div 水平 1us/div 垂直 5V/div
(文献)
1.歪率特性カーブを描いてみよう.
(2010.1.30 追記)ASUS Xonar Essence STX で測定しなおし
(0)測定方法
1)周波数特性
a)機材
サウンドカード ASUS Xonar Essence STX
発振器ソフト WaveGene Ver. 1.40
サウンドカードベンチマークソフト Right Mark Audio Analyzer 6.2.3
交流電圧測定 秋月通商のテスター P-10
ダミー抵抗 8Ω(セメント抵抗)
b)測定法
WaveGene で 1kHz の正弦波を発生させて アンプに入力した。
アンプの出力ダミー抵抗につなぎ出力電圧を 2.83 V(1W) にして 10 kΩ の可変抵抗で分割してサウンドカードに接続した。
周囲雑音の影響を減らすため、Line-in からのケーブルの入力に並列に 220Ω の抵抗をいれた。
この状態で Right Mark Audio Analyzer で測定した。
2)歪率
a)機材
サウンドカード ASUS Xonar Essence STX
発振器ソフト WaveGene Ver. 1.40
オシロ+FFTソフト WaveSpectra Ver. 1.40
交流電圧測定 秋月通商のテスター P-10
ダミー抵抗 8Ω(セメント抵抗)
b)測定法
アンプの出力ダミー抵抗につなぎ出力電圧を調整して 10 kΩ の可変抵抗で分割してサウンドカードに接続した。
周囲雑音の影響を減らすため、Mic入力, Line入力 からのケーブルの入力に並列に抵抗をいれた。
抵抗値は 1W 以下で 220Ω 1W を超えたら 68Ω とした
Line 入力では十分なゲインが取れなかったので 1W 未満の測定には Mic入力を1W以上の測定には Line入力を用いた。
WaveGeneの出力は 100 Hz, 1 kHz, 10 kHz 0dB で FFTサンプル数に 4096 を指定し FFT用に最適化を選択した。
MMEドライバーで EXTESIBLEを使い、96kHz 24bit ステレオとした。
WaveSpectra のほうでもMMEドライバーで EXTESIBLEを使い、96kHz 24bit ステレオとした。
FFTのサンプルデータ数は 4096、 窓関数はなしとした。
入力のピーク値が -10dB~-11dB になるように可変抵抗を調整し、変動がある程度おちついてからTHDの値を読んだ。
(1)周波数特性
20 Hz から 20 kHz までフラットだった。
ここに全
結果を示す。
これがサウンドカードのループバック測定の結果だ。
(2)歪率(THD)
100Hzが小信号側で持ち上がってる原因は不明だが、Augidy2での結果とほぼ一致している。
こ
こに
グラフを示す。
(2010.08.09追記)
スイッチング電源を使ってることもあり、電源まわりの性能がアンプの性能を引っ張っていた。完全なアンプに仕上げるために電源まわりの直しをしている。完成したら別ページを作るがとりあえず現状の報告をしておく。
(1)RMAA測定系の改善
100円ショップの非シールドケーブルをやめケーブル類を一新した。
ループバックテストの結果はこれ。
2010.1.30 sけいし
(s_keishi@yahoo.co.jp)