kemoi3_vr



cmoyアンプにヒントを得たヘッドフォンアンプ(安定版)


[1]回路図

回路図をこ こに示す。

cmoyアンプのクロストークの問題を解決するには電源系統を分離するのが王道だが、電池のあとに電源フィルタを一段いれることである程度の改善があったので電源の分離まではしていない。

電源アダプタとして、安価なスイッチング電源アダプタを使っても電池使用時と同等の音質になるように電源フィルターがついている。すでにcmoyアンプを持ってる人はこのフィルターをつけるだけで、電源アダプタで使えるようになる。

ボリウムにDC成分が流れるのを防ぐため 1uFx3 のフィルムコンデンサが入っている。プリアンプのDC漏れが無いことが確実ならこれは省いてよい。3uFでは低域のゲインが不足する可能性もあるのでお金とケースに余裕がある人は10uF以上に変更して欲しい。

1uFのフィルムコンデンサ全てにパナソニックの0.1uFのECHU1H104GX9が並列にいれてある。ECHU1H104GX9の1uFのものは存 在しない為、変な音のしない1uFフィルムコンデンサ(Acronicsのポリエステルコンデンサ)にECHU1H104GX9を並列にいれることにより、ECHU1H104GX9風の高解像度な音にするという セコいやり方だ。

電源部の1.8kΩ以外は、全てニッコームRP-24を使用してほしい。

オペアンプにはFET入力のOPA2134を指定している、バイポーラ入力の njm2114 や lme49720 や、 ドライブ能力の低い njm4580 等は使えない。

[2]製作

HPA_hiro.png

パーツリスト

ポリエステルフィルムコンデンサは、白や黄色の四角いやつなら多分問題ない。
メタライズドポリプロピレンコンデンサは指定のものを必ず使って欲しい。

配線図

kmoi2_vr_c.png

1uFの電源コンデンサと0.1uFのチップフィルムコンデンサは基板の裏側から取り付けて欲しい。
全くこのまま作って欲しい。このパターン通りにつくってない物について音がいい悪いとか言われても著者のあずかり知らぬことだ。

[3]性能

RMAAの結果を示す

Frequency response (from 40 Hz to 15 kHz), dB
+0.02, -0.13
Excellent
Noise level, dB (A)
-106.4
Excellent
Dynamic range, dB (A)
106.1
Excellent
THD, %
0.0010
Excellent
THD + Noise, dB (A)
-97.2
Excellent
IMD + Noise, %
0.0020
Excellent
Stereo crosstalk, dB
-91.7
Excellent
IMD at 10 kHz, %
0.0025
Excellent
General performance
 
Very good


THD+Nは -97.2dB 以上とCD音質(-96dB)を満たしてる。
IMD+Noiseが 0.0020% とCD音質(0.0015%)にわずかに足りない。

クロストークは以下のようになった。

60Hzのピークは多分サウンドカード内部のハムなので関係ないはず。
全周波数領域で96dBを下回るまではいかなかったが問題ないだろう。

聴感上は、十分にCDが聴ける音質に仕上がってる。
電池と電源アダプタの音質の差はきわめて少なく、解像度や雑さの差は全く感じられない。

オペアンプ1個の回路でこの音質になるというのは cmoy氏の発想のすばらしいさによるところが大きい。製作を簡単にするために音質を妥協したヘッド フォンアンプでないところがすばらしい。出力バッファがないために使えないヘッドフォンも出るだろうが、音は本物だ。


(2012.04.13 追記)
配線図のグランドパターンが悪くて、音が濁っていた。配線図を差し替えた

2011.12.5 sけいし (s_keishi@yahoo.co.jp)

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