吟影-001,002



高音質ヘッドフォンアンプ

吟影-002

[1]回路

アクティブ電源フィルターの採用で電源器由来のノイズを防ぎ、高価なトロイダルトランス式電源器等を用いずとも安価なスイッチング電源器でクリアな高音質が得られた。
ボルテージフォロワーを初段として追加することで、小型小容量の音のよいフィルムコンデンサをカップリングコンデンサとして使えるようになった。
反転増幅式の増幅段の採用で、何本もの配線を集中したり太いバスバーを使用する等大げさで複雑になりがちなアースラインの配線が単純化でき結果的に音質が向上した。
電源電圧の中点電位を作成する回路で正負電源作成する方式の採用で、電源ラインを流れる電流に含まれる高調波成分を小さくでき音質向上に結びついた。

[2]部品

(1)抵抗
電源フィルター部以外は 全てニッコームRP-24C
(2)コンデンサ
電源フィルター部以外は オールフィルムコンデンサ構成(ケミコン・積セラ無し)
カップリングには Evox-Rifaのポリプロピレンコンデンサ PHE450KB6100JR06 x2 x2ch
その他のコンデンサは全て Arcotronicsのメタライズドポリエステルコンデンサ R82DC3100DQ50 
(3)オペアンプ
吟影-001  初段 njm4580、 増幅段 njm2114, 電源分割 njm2114
吟影-002  初段 njm4580、 増幅段 njm4580, 電源分割 njm4580
(4)ボリウム
Linkman R1610G
(5)コネクタ類
耐久性を支配するコネクタにも音楽用機材に広く使用されている定番品を使用(5号機以降)。
RCAジャック       トモカ  C-60 x2
ステレオフォンジャック SwitchCraft 12B

上記部品は全て比較試聴してみて音がよかったのものを使用している。

[3]性能


(1)無負荷時(ラインアンプとしての性能)
RMAAの結果を示す
Frequency response (from 40 Hz to 15 kHz), dB
+0.03, -0.17
Very good
Noise level, dB (A)
-96.7
Excellent
Dynamic range, dB (A)
96.9
Excellent
THD, %
0.0009
Excellent
THD + Noise, dB (A)
-90.6
Very good
IMD + Noise, %
0.0057
Excellent
Stereo crosstalk, dB
-91.0
Excellent
IMD at 10 kHz, %
0.0040
Excellent
General performance
 
Very good

負荷なしの性能は申し分ない。

(2)47Ω負荷時(ヘッドフォンアンプとしての性能)
RMAAの結果を示す
Frequency response (from 40 Hz to 15 kHz), dB
+0.03, -0.17
Very good
Noise level, dB (A)
-97.2
Excellent
Dynamic range, dB (A)
97.2
Excellent
THD, %
0.024
Good
THD + Noise, dB (A)
-70.3
Average
IMD + Noise, %
0.028
Good
Stereo crosstalk, dB
-71.9
Good
IMD at 10 kHz, %
0.040
Good
General performance
 
Good

Good程度の評価の月並みな数字が並ぶが、GoodということはRMAAで測定可能な特性的には問題が無いという受け止め方でいいとおもう。
経験的には、RMAAの特性で闇雲に Excellent を並べるより、部品や配線パターンに注意したほうが良い結果が得られる。


<吟影開発の経緯>
以前製作した単純なヘッドフォンアンプの評判がいまひとつだったので、知人でテクノアーチストでもあるBlue Screen氏の協力を仰ぎ、試作を繰り返して完成したのが吟影である。
私は、女性ボーカルモノばかり聴いているのでボーカルや楽器の生っぽさを追いかけてしまい音楽全体のバランスを見失いがちであるため、Blue Screen氏の協力が必要だった。吟影には001と002があり、吟影-002それぞれの音の生々しさはそのままでDTM等のモニタ用にも使えるバランスになっている。吟影-001リスニング用として吟影-002より各音色の生々しさを多少優先した仕上がりになっている。


2012.4.7 sけいし (s_keishi@yahoo.co.jp)

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